TEAM Sugi代表の本間卓です。アメリカの大学で野球をしていた頃、約5週間も試合に出られない時期がありました。2014年、University of Wisconsin–Superiorにいたときのことです。
自分ではできると思っているのに、出番がない。練習で守るポジションも変わり、気持ちが切れそうになっていました。それでも、そのシーズンの最後には、試合に出られない間も準備を続けていてよかったと思えるようになりました。今回は、そこにたどり着くまでの話です。
アリゾナ遠征で、思っていたほど出番がなかった
2014年3月、チームでアリゾナへ遠征しました。私はショートとして、自分のプレーを見てもらう機会を待っていました。ところが、チームが11試合を戦う中で、私が出たのは2試合。どちらも最終回の1イニングずつでした。
ほかに2軍の試合にも出ましたが、思い描いていた遠征とは大きく違いました。それまで日本でもアメリカでも、いろいろな指導者から守備を教わってきた自負があっただけに、ベンチにいる時間が悔しかったです。
5週間出られず、練習にも身が入らなくなりかけた
遠征後も出番がなく、久しぶりに試合に出るまで約5週間が過ぎました。その間、人数の関係で、練習の守備位置もショートからセカンドへ回りました。自分では納得できず、その日は練習を適当にしてしまいました。
私は、それまでも思い通りにいかないと気持ちを切らしてしまうことがありました。高校時代には、もう一度出場機会をもらったときに結果を出せず、最後の夏のベンチにも入れませんでした。今回も、そのままふてくされてしまいそうでした。
そんなとき、シアトル時代にお世話になった先輩から連絡をもらいました。納得できないことがあっても、今できることをやり、野球への気持ちを切らさないでほしい。そう伝えてもらいました。
ほかにもメッセージや電話をくれた方がいて、気にかけてくれる人がいることがうれしかったです。出られない状況に納得したわけではありません。それでも、練習を投げ出して何かが変わるわけでもないと思い、目の前の練習を続けました。
久しぶりの打席で打った、センター前ヒット
4月、ショートの選手のけがで、途中から試合に出る機会が回ってきました。その最初の打席で、センター前にヒットを打ちました。

この一本は、一生忘れられないと思うくらいうれしいヒットでした。その日は内野安打も含めて3打数2安打。ずっと出番を待っていた時間のあとで、ようやく試合の中で結果を出せました。
ただ、そのまますぐに先発の座が決まったわけではありません。けがをした選手が戻り、私はまた控えになりました。それでも、そこからも練習は続けていました。
少しずつ出番が増え、シーズンの見え方が変わった
その後の週末の4連戦では、代打で出たあと、ショートで先発する機会も増えていきました。出られない頃は、早くシーズンが終わらないかなと思っていたのに、出番が来ると、今度は絶対に勝ってプレーオフへ行きたいと思う。振り返ると、自分でも勝手だなと思います。
チームは最後までプレーオフ進出を争いましたが、結果的には届きませんでした。私自身は、終盤に続けて試合に出て、打席に立てたことが自信になりました。それ以上に、思い通りにいかない時間を、周りに支えてもらいながら乗り越えられたことが大きかったです。
今、出場機会に悩んでいる方へ
自分には出番があると思っていても、実際の起用がその通りになるとは限りません。私自身、その差を受け止めるのに時間がかかりました。
これから野球留学を考える方には、入部できるかだけでなく、チームがどんな役割を期待しているのか、同じポジションにどんな選手がいるのかも、コーチと話しておいてほしいと思います。入学後に悩んだときも、一人で結論を出す前に、コーチや信頼できる人に話してみてください。私も、周りの言葉に助けられました。
私がこの経験から伝えたいのは、出番のない時間に続けていた準備が、久しぶりの打席で自分を支えてくれたということです。簡単に気持ちを切り替えられたわけではありませんが、あの一本を打てたことは、今も私の中に残っています。
渡米前のトライアウトについては、2009年にアリゾナの大学を回った体験談でお話ししています。現在の進路づくりは、大学野球の個別セレクション・トライアウトの案内をご覧ください。
野球だけでなく、英語の学び直しから大学卒業までの経緯は、私のアメリカ留学体験にまとめています。
執筆:本間卓(TEAM Sugi代表)